証券での資産運用として一般的なものの一つに『株式投資』があります。
株式とは、企業が資金を調達するために発行するための券で、株式投資とはこの株式を市場でやりとりすることによって株式自体の価格(株価)が変動し、その値動き等を利用してお金を増やそうとする投資手法です。
株式投資には2つの利益を得る方法があり、ひとつは企業が定期的に株式の持ち主に対して利益の一部を配る『配当金』があります。(インカムゲイン)そしてもうひとつは株価の変動を利用して安い時に購入して高くなった売却しその利鞘をとる方法(キャピタルゲイン)があります。
しかし、株価の変動を利用して利益を取る場合にはある程度株価の変動を予想する必要があります。では、この株価はどのような仕組み、どのような要因で変動するのでしょうか。
今回は株価が変動する仕組みと、株価が変動する要因について解説していきたいと思います。株式投資を実践する為の超基本的なことですのでしっかり理解して今後の株式投資に活用していきましょう。
株価が変動する仕組み
まずは株式の価格(株価)が変動する仕組みですが、その前に私たち投資家が株価を購入する際の流れについてみていきましょう。株式投資自体の仕組みを知ることによって、より株価が決定される仕組みを理解できるようになります。
株式投資の仕組み
先ほども説明したように、株式とは企業が資金を集めるための手段の一つで、その株式を投資目的のために購入する私たちのような人のことを『投資家』といいます。投資家が株式を購入する際に企業に対して直接「売ってください」と交渉するのではありません。株式は流通しやすように様々な市場に上場され、『証券会社』を経由することによって購入する流れが一般的です。
具体的には
- 企業が株式を上場させる
- 投資家が購入したい株式を市場で探す
- 証券会社を通して購入の手続きをする
といった流れになります。

株価が決定する仕組み
では、この流れの中で株価はどのように決定されるのでしょうか。
投資目的で売買されている株式は市場に上場しているので証券会社を通して日々売買されており、売買される金額は買い手と売り手の約定金額によって決定されます。
例えば、ある企業の株式に対して、その株式を保有している売り手が1000円と1001円での売り注文をそれぞれ100株ずつ出したとします。その際に1000円で買いたい人がいた場合、株式の価格は1000円となります。その後に1001円ででも購入したい人が出てこれば株価は1001円となります。
このように、株価は一定の金額がつけられている訳ではなく、投資家の需要と供給のバランスによって最後に売買が成立した時点の価格となるのです。

株価(需要と供給)が変動する要因
ではその需要と供給はどのような要因によって変動するのでしょうか。
株価は様々な要因が絡み合って変動するので一概に要因を特定することはできませんが、一般的には『株式を発行している会社自体の要因』と『社会の株式に対する評価の要因』の大きな2つの要因があります。
会社の業績・将来性
株価は会社の業績に大きく影響を受けます。業績の良い会社の株はたくさんの人が欲しがるので需要が増え、株価が上昇する傾向があります。また、株価は半年後の状況を既に織り込んだ価格になっていると言われており、株価の評価は現在の業績ではなく数ヶ月後の業績を予想して考えることが大切です。
さらにその会社の将来性も株価に織り込まれるため、時代にあった事業を展開している企業などの株価は上昇する傾向にあります。
業績を見る指標として会社は投資家に向けて次のような情報開示を行っています。
- 決算時に公表される年次決算:年に1度の決算ではその企業の1年間の活動や業績を数字で読み取れる『決算書類』が公表され、『貸借対照表』や『損益計算書』、『キャッシュフロー計算書』などから今後の会社の動向を予想して株式投資に役立てることができます。
- 四半期報告書や決算短信:年次決算と同じように各決算書類が公表されますが、四半期報告書の場合は年に1度ではなく四半期(3ヶ月)に1度報告されるので、より企業の現状を把握することができます。また、決算短信はさらにスピードが重視されており、報告書よりも内容が簡素化されています。
また、企業自体が公表する情報以外にも一定の企業が独自に企業を徹底取材し分析して一冊の本にまとめた『四季報』も非常に便利なアイテムです。
社会の状況・変化
次に、社会の状況や変化に対する株式への評価の変動要因です。これらは特定の会社ではなく、金融市場の全体を見て株式という投資対象がどうなのかであったり、社会の状況が企業の業績に与える影響を表したものとなります。
景気動向
国の経済活動は企業が大きな役割を占めています。景気が盛り上がるということは企業の業績も良くなるということです。そして企業の業績が良くなると株価も上昇します。なので景気の上昇局面では株式投資でのキャピタルゲインを得やすいタイミングといえます。
金利の水準
投資の手段には株式以外にも様々な方法があります。もし銀行の金利や債券などの金利が上昇して金融商品として魅力が出てくると株式の需要にも変化が起き、株価にも大きな影響を与えます。
為替
外国との為替は貿易に大きな影響を与えます。外国と貿易を行っているのは企業で、海外から商品を仕入れる場合や、海外に商品を売り出す場合には海外の通貨と日本円との関係が非常に大切になってきます。例えば海外の通貨に比べて円安の場合には海外から見ると日本の商品がお得に購入することができるので日本の会社の業績が上がります。それによって株価にも大きな影響が出てきます。
国内政治の動向
国の決まりは憲法や法律によって定められており、それらに乗っ取って国を運営していくのが政治です。法律によって国民の決まり事が定められているので、私たちの消費活動や金融の制度も政策に影響します。
国際情勢
世界の金利動向は日本の金利に影響を与えるといわれているように、国際的な動きは日本の経済と密接な関係があります。さらに、日本の企業でも海外に支店を置いているところもたくさんあるので、海外の情勢が日本の会社の業績にダイレクトに影響を与える場合もあります。
自然災害・天候
自然災害や天候によって損失が出る会社もあれば、逆に仕事が増えて業績が上がる会社もあります。これらは株価にも影響を与えており、災害によって一時的に株価が下がる場合もありますが、そのような場合はあくまでも一時的なものが多いので、会社の運営が健全であれば正常な価格まで戻してくることがほとんどです。
外国人投資家の動向
株式を投資対象として購入しているのは私たちのような日本人の個人投資家だけではありません。世界には株式投資を本業として生業にしているプロの外国人機関投資家が存在します。彼らは大きな資金を利用して株式相場を動かします。
最後に
今回は株式の値動きを利用した株式投資の基礎である、株価が変動する仕組みと変動する要因について説明しました。
株式投資は将来の株価が上昇することを見込んで購入するものなので、なぜ株価は変動するのか。が分かっていないと将来の株価の変動を予想することはできません。
資産運用は、お金を安定的に増やす手段です。基礎的な部分を身につけて、分からないまま感覚で投資して運任せにならないようにしましょう。











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