節税を考える前に!所得税の仕組みについて知っておこう!その④【所得を軽減できる所得控除】

所得税の計算過程で所得税を軽減する効果があるものとして『所得控除』と『税額控除』というものがあります。

その中でも『所得控除』には所得税のもととなる所得を軽減する効果があり、全部で15種類の所得控除があります。これをうまく利用すると所得税の節税をすることができ、最近話題のiDeCo(個人型確定拠出年金)もこの所得控除を利用した節税となっています。

ですので今回は、15種類の所得控除の概要と種類について紹介していきます!今の自分にはどのような所得控除が適用されているのか、実際の自分の税金と照らし合わせながら考えていきましょう。

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所得税計算過程での所得控除

まずはじめに、所得税の計算方法について少しおさらいしておきましょう。

簡単な所得税計算の流れは

  1. 10種類の各所得(総合課税のみ)を合算して『総所得金額』を計算する
  2. 総所得金額』から『所得控除』を差し引いて『課税総所得金額』を計算する
  3. 課税総所得金額』に税率をかけて『算出税額』を計算する
  4. 算出税額』から『税額控除』を差し引いて実際に支払う税金額を計算する

というものでした。

このように所得控除は所得税の計算過程で所得部分を減らす効果があります。なので所得が同じであっても所得控除が大きい方が納める所得税は少なくなるのです。

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所得控除の種類

それでは、それぞれの所得控除についてみていきましょう。

人的控除

まずは所得税を納税する人、そしてその周りの人によって適用される人的控除についてです。

基礎控除

基礎控除は誰でも条件なく適用を受けることのできる所得控除です。所得の金額によって控除金額は異なりますが、年間の所得金額が2400万円以下の場合は控除金額が48万円となります。ですので合計所得が48万円以内であると、所得税が発生しないことになります。

[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
合計所得金額 控除額
2400万円以下 48万円
2400万円超 2450万円以下 32万円
2450万円超 2500万円以下 16万円
2500万円超 0円

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参考:基礎控除|国税庁

配偶者控除

配偶者控除とは納税者に所得税法上の一定の対象配偶者がいる場合に適用することができます。なおその年の納税者本人の所得合計金額が1000万円をこえる場合には適用できません。

控除対象配偶者の要件
  • 民法の規定による配偶者である
  • 納税者本人と生計を一にする配偶者である
  • 配偶者の合計所得金額が48万円以下である
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通して給与の支払いを受けていないこと、また白色申告者の事業専従者ではないこと
  • 他の人の扶養親族となっていないこと
[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
対象者 納税者の合計所得
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1000万円以下
配偶者 38万円 26万円 13万円
老人控除対象配偶者 48万円 32万円 16万円

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参考:配偶者控除|国税庁

配偶者特別控除

配偶者特別控除は、配偶者控除に該当しない場合(配偶者に48万円を越える所得がある)で、以下の要件を満たす場合に適用することができます。なおその年の納税者本人の所得合計金額が1000万円をこえる場合には適用できません。

配偶者特別控除の要件
  • 民法の規定による配偶者である
  • 納税者本人と生計を一にする配偶者である
  • 配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下である
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通して給与の支払いを受けていないこと、また白色申告者の事業専従者ではないこと
  • 他の人の扶養親族となっていないこと
[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
配偶者の合計所得金額 納税者の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1000万円以下
48万円超 95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超 100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円

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参考:配偶者特別控除|国税庁

扶養控除

扶養控除とは納税者に所得税法上の一定の対象扶養親族がいる場合に適用することができます。控除対象扶養親族はその年の12月31日において16歳以上の人を指します。また、対象親族の年齢や同居しているかどうかによって控除額は異なります。

控除対象扶養親族の要件
  • 配偶者以外の親族である
  • 納税者本人と生計を一にする親族である
  • その親族の合計所得金額が48万円以下である
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通して給与の支払いを受けていないこと、また白色申告者の事業専従者ではないこと
[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
対象扶養親族 控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上) 38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円
老人扶養親族(70歳以上) 同居老親等以外 48万円
同居老親等 58万円

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参考:扶養控除|国税庁

障害者控除

障害者控除は、納税者本人が障害者である場合と、同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合に適用することができます。

[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
対象者の区分 控除額
障害者 27万円
特別障害者 40万円
同居特別障害者 75万円

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参考:障害者控除|国税庁

寡婦控除・ひとり親控除

寡婦控除・ひとり親控除は、納税者本人が寡婦・ひとり親の場合に適用することができ、要件は以下のようになります。

寡婦・ひとり親の要件

その年の12月31日において

  • 住民票に未届の妻または夫の記載がなされていないこと
  • 合計所得金額が500万円以下
[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]
  離別事由等 扶養の要件 控除額
寡婦 死別、離婚、生死不明 子以外の扶養親族がいる 27万円
死別、生死不明 扶養親族の要件なし
ひとり親 死別、離婚、生死不明、未婚 生計一である子がいる 35万円
[/su_box]

勤労学生控除

勤労学生控除は、納税者本人が勤労学生である場合に適用することができます。

対象となる人の要件
  • 勤労による収入がある
  • 合計所得が75万円以下で、主たる所得以外の所得が10万円以下であ
  • 学校教育法に規定する高等学校、大学、高等専門学校の学生である
[su_box title=”控除額” box_color=”#319bd8″ radius=”2″]

27万円

[/su_box]
参考:勤労学生控除|国税庁

支払った保険料に関する所得控除(物的控除)

次に、支払った保険料などに対して適用される所得控除についてみていきましょう。

社会保険料控除

社会保険料控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族に係る社会保険料を支払った場合に適用することができます。社会保険料で支払った金額の全額が控除されます。

社会保険に該当するもの
  • 国民健康保険
  • 健康保険
  • 後期高齢者医療制度
  • 国民年金
  • 厚生年金
  • 国民年金基金
  • 厚生年金基金
  • 介護保険料 など

小規模企業共済等掛金控除

小規模共済等掛金控除は、小規模企業共済の掛金や確定拠出年金の掛金に支払った場合に適用することができます。

社会保険に該当するもの
  • 小規模企業共済
  • 企業型確定拠出年金
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo) など

生命保険料控除

生命保険料控除は、その年に支払った生命保険料の一部が所得控除されるものです。適用される生命保険料控除は旧契約(2011年12月31日以前の契約)と新契約(2012年1月1日以降の契約)に分かれ、それぞれで対象となる保険と控除額が異なります。

旧契約

対象となる保険:生命保険(生死に関する保険)・個人年金保険

控除額:上記の各保険最大5万円ずつ(合計10万円)

新契約

対象となる保険:生命保険(生死に関する保険)・介護医療保険・個人年金保険

控除額:上記の各保険最大4万円ずつ(合計12万円)


参考:生命保険料控除|国税庁

地震保険料控除

地震保険料控除は地震保険料と一定の長期損害保険料を支払った際に受けることのできる所得控除です。両方を合計して最高5万円の控除が可能となります。

その他の控除

最後に、その他の所得控除についてみていきましょう。

医療費控除

医療費控除は納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に適用することができ、控除可能な金額は以下の計算式で求めます。

医療費控除の金額
その年に支払った医療費の総額-保険金等で補填される金額-10万円or総所得金額の5%(少ない方)


参考:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

つまり、その年に支払った医療費から保険金として受け取った金額を差し引いた部分が10万円以上あった場合にその10万円以上の部分だけ控除が可能ということです。また、医療費控除の上限は200万円となっています。

雑損控除

雑損控除は納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族が保有する住宅、家財、現金等について、火災や盗難によって損失が生じた場合に適用することができます。なお、詐欺や恐喝の場合には適用できません。

雑損控除の金額
  • 差引損失額-総所得金額×10%
  • 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

どちらか多い方


参考:災害や盗難で資産に損害を受けたとき(雑損控除)|国税庁

寄附金控除

寄附金控除は特定寄付金を支出した際に適用することができます。なお、ふるさと納税での減税措置はこの寄付金控除をの仕組みが利用されています。

寄付金控除の金額

次の2つのうち低い金額-2000円

  1. その年に支出した特定寄付金の額の合計額
  2. その年の総所得金額の40%相当額


参考:一定の寄付金を支払ったとき(寄付金控除)|国税庁


15種類もあると要件や控除額を覚えるのはなかなか大変ですよね。ですが所得税は私たちが生活する上で避けることのできない支出です。そして今回紹介した所得控除は税金を減額できる効果を持っているものです。給与所得者の方は年末調整などで税金の還付等を行うこともあると思いますが、そこにはこの所得控除が深く関わっています。

また、『雑損控除』・『医療費控除』・『寄付金控除』の3つは確定申告を行わないと適用できません。ですので、所得税の仕組みを少しでも理解して無駄な税金の支払いを回避する出来るようにしましょう。

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