私たちの生活で最も身近な税金のひとつに『所得税』があります。所得税とは、私たちが受取った報酬に対して税金が課されるものですが、会社に勤めている方は『源泉徴収』、個人事業主やフリーランスの方は『確定申告』によって所得税を納めるのが一般的となっています。
所得税はその名の通り『所得』から計算されるのですが、実は所得は私たちが得る報酬によってさまざまな種類に分類されるのをご存知でしょうか?
さらに、所得の種類によって所得税の計算方法も異なります。
ですので今回は所得の種類について解説していきます。自分が支払う税金について知るためにも、この所得についての理解を深めておきましょう!
所得とは
所得と似たような言葉に『収入』や『手取り』など、報酬として受け取れるお金を表す言葉があります。それぞれで多少意味は異なっており、
収入は受け取る金額の総額。手取りは実際に手元に残る金額。
そして所得は収入から必要経費を差し引いたもので、所得税を計算する際のもとになる金額です。

所得税計算の流れ
ここで簡単に所得税の計算方法を紹介します。所得税は1月から12月の間に受け取った所得をもとに、納税者の働き方や家族状況、保険料などの支払い状況から計算されます。ですので、人によって控除の額や税率が異なり、単純に算出することはできませんが、おおまかな所得税計算の流れは以下のようになります。
- 各所得金額を合算(総所得金額を計算(総合課税のみ))
- ①からから所得控除を差し引く(課税総所得金額を計算)
- ②に税率をかける(算出税額を計算)
- ③から税額控除を差し引く(申告納税額を計算)

より詳しい所得税の計算方法↓
所得の種類
お金には様々な受取り方があります。例えば、
- 銀行に預けた預金の利子
- 株式を所持している際の配当金
- 不動産を貸し付けている場合の家賃収入
- 個人事業主やフリーランスがお客さんから受け取る報酬
- 毎月の労働に対するお給料
- 使わなくなったものを売却した時の利益
- 保険を解約して受け取る解約返戻金
- 社会保険から受け取れる年金
- 退職金
などなど…
すべて同じお金ですが、これらは税金を計算する上で『○○所得』という名前で種類が分類されています。所得は全部で10種類あり、各所得で計算方法が異なります。
利子所得
利子所得とは、預貯金及び公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。(引用元:利息を受け取った時(利子所得)|国税庁)
つまり、銀行にお金を預けている時などに受け取れる利息などのことで、具体的には以下のようなものが該当します。
- 預貯金の利子
- 公社債の利子
- 公社債投資信託の収益配分金
- 貸し付け信託、金銭信託の収益配分金など
配当所得
配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配、基金利息、投資法人からの金銭の分配又は投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。(引用元:配当金を受け取ったとき(配当所得)|国税庁)
つまり、株式や投資信託での配当金による所得のことです。
[su_box title=”配当所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]配当所得=収入金額−株式等を取得するための負債利子[/su_box]不動産所得
不動産所得とは、次の①から③までの所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。
- 土地や建物などの不動産の貸付け
- 地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
- 船舶や航空機の貸付け
(引用元:不動産収入を受け取った時(不動産所得)|国税庁)
つまり、不動産等を貸し付けて得られる所得のことです。
ちなみに駐車場の貸し付け料でも、保管責任を追うもの(時間貸し駐車場)は雑所得か事業所得に分類されます。また、アパート・マンションでも食事を供する場合や従業員宿舎の場合も雑所得か事業所得に分類されます。
[su_box title=”不動産所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]不動産所得=総収入金額−必要経費(−青色申告特別控除額)[/su_box]『青色申告特別控除額』についての記事はこちら↓↓↓
事業所得
[su_box title=”事業所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]事業所得=総収入金額−必要経費(−青色申告特別控除額)[/su_box]事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。(引用元:事業所得の課税の仕組み(事業所得|国税庁))
給与所得
[su_box title=”給与所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]給与所得=収入金額−給与所得控除[/su_box]給与所得とは、勤務先から受ける給料、賃金、賞与などの所得をいいます。(引用元:給与所得|国税庁)
退職所得
[su_box title=”退職所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]退職所得=(収入金額−退職所得控除)×1/2[/su_box]退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。(引用元:退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁)
山林所得
[su_box title=”山林所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]山林所得=総収入金額−必要経費−特別控除額(最高50万円)(−青色申告特別控除額)[/su_box]山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいいます。(引用元:山林所得|国税庁)
譲渡所得
譲渡所得とは、一般的に土地、建物、株式等、ゴルフ会員権、金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。(引用元:譲渡所得|国税庁)
ちなみに、生活用動産(家具、車、衣服など)の譲渡や国・地方公共団体に対する財産の寄付からの所得などは非課税となります。
[su_box title=”譲渡所得の計算方法(土地や建物を譲渡したとき)” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額[/su_box] [su_box title=”譲渡所得の計算方法(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]短期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)+長期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡益譲渡益-特別控除額(最高50万円)=譲渡所得の金額[/su_box]
一時所得
[su_box title=”一時所得の計算方法” box_color=”#60a3cf” radius=”2″]一時所得=総収入金額−支出金額−特別控除(最高50万円)[/su_box]一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
- 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
- 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
- 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
- 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
(引用元:一時所得|国税庁)
雑所得
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。(引用元:雑所得|国税庁)
また、雑所得は2種類に大別され、具体的には以下のようなものが該当します。
公的年金等の雑所得
- 国民年金・厚生年金などの公的年金
- 国民年金基金・厚生年金基金・確定拠出年金などの年金
公的年金等以外の雑所得
- 生命保険などの個人年金保険
- 講演料や作家の原稿料など
公的年金控除額は年齢と収入金額によって変動します。詳細は国税庁のサイトで確認できます。
いつもなんとなく受け取っているお金ですが、このように所得別に分けてみると自分の所得形態が分かってきます。
会社勤めでお給料をもらっている場合は給与所得、個人事業主やフリーランスの方は事業所得、年金などは雑所得といったように、人によって受け取っている所得の割合が異なります。
最近は『節税』というワードをよく耳にしますが、実は各所得によって所得税の計算方法が異なります。一概に節税といっても、その所得に合せた方法で行う必要があるので、まずは自分の収入はどの所得の割合が高いのかを知ってから対策をするようにしましょう。














(参考:国税庁|所得の種類と課税のしくみ)