サラリーマンのための節税講座その③生命保険に加入して節税!【生命保険料控除を活用する】

生命保険に加入していると『生命保険料控除』を使って所得税を軽減できる。保険に加入する際にそんな説明を受けたことはないでしょうか?

もし、この『生命保険料控除』を利用しているのであれば、所得税の計算にこれを反映させるために年末に『年末調整』という手続をする必要があります。サラリーマンの方ですと、年末に加入している保険会社から送付された『控除証明書』を準備して手続きをしたことがあるのではないでしょうか?

生命保険料控除とは、自分に必要な保険に加入しながら所得税も軽減できるという素晴らしい制度です。今回はこの生命保険料控除について。保険の種類から所得税が安くなる理由利用できる保険控除できる金額気を付けるポイントなどを解説していきます!

生命保険料控除を利用してかしこく保険に加入できるようにしっかり学んでいきましょう。

保険とは

保険とは、もしものことが起こってしまった時の為に、みんなで少しずつお金を出し合ってお互いに助け合うものです。保険に加入していると、その保険が定めている保険金支払事由に陥ってしまった際に契約内容に沿った保険金を受け取ることができます。

ただ、保険に加入するには保険料というコストがかかります。すると、支払った保険料が返ってこないタイプの保険だと、保険金が貰えなかった場合には保険料の金額分だけすることになります。

ただ、保険というのは損得ではなく、自分たちでは負いきれない大きな金銭的リスクを少ないコストで補うものです。ですので、自分や家族の将来を考えてうまく保険を利用する必要があります。

保険にはさまざまな種類がありますが、大きく『公的保険(社会保険)』と『私的保険』の2つに分けることができます。

公的保険(社会保険)

公的保険とは社会保険とも呼ばれ、が運営している保険です。

社会保険は一定の年齢になると国民全員が加入することになり、健康保険国民年金などがそうです。社会保険にももちろんコストがかかり、毎月の給料から支払われている健康保険料厚生年金保険料などは社会保険に加入しておくために必要な保険料です。

社会保険には次のような種類があり、その人の働き方などによって加入する保険が異なります。

社会保険の種類
  • 医療保険 ⇒ 国民健康保険や健康保険
  • 年金保険 ⇒ 国民年金や厚生年金
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 介護保険

私的保険

私的保険は社会保険とは異なり、保険会社が運営している保険のことです。

私的保険は保険会社ごとで異なる商品を販売しているので非常に沢山の種類がありますが、保障の内容によって次の3つの種類に分けることができます。

  • 生命保険(第一分野)
  • 損害保険(第二分野)
  • その他の保険(第三分野)

生命保険

生命保険とは、人の生死に関して保険金が支払われる保険のことです。

人の生死に関する保険ですので、被保険者が亡くなった時に保険金が受け取れる死亡保障の定期保険や、生きているときに保険金が受け取れる生存保障の個人年金保険などがあります。

また、生死混同保障として、被保険者が死亡の際に保険金が受取れ、かつ一定の年齢まで生存している場合にも保険金が受け取れる養老保険というものもあります。

生命保険の例
  • 定期保険
  • 終身保険
  • 養老保険
  • 収入保障保険
  • 個人年金保険

損害保険

損害保険とは、偶然の事故による損害について保険金が支払われる保険のことです。

所有する自動車や住宅などに偶然的に損害が発生した場合に保険金を受け取ることができます。また、他人や他人の所有物に危害を加えてしまった際の損害賠償を保障する賠償責任保険などもあります。

損害保険の例
  • 自動車保険
  • 火災保険
  • 地震保険
  • 賠償責任保険
  • 旅行保険

それ以外の保険

それ以外の保険には、生命保険と損害保険の中間に位置する保険が該当します。

病気やケガで入院をしてしまった際の入院費や手術費用が保険金として受け取れる医療保険や、社会保険での介護保険の上乗せ給付として加入する私的介護保険などがあります。

それ以外の保険の例
  • 医療保険
  • がん保険
  • 介護保険
  • 傷害保険

生命保険に加入すると節税になる理由

さまざまな保険の種類について紹介しましたが、今回説明する『生命保険料控除』を利用する節税は、私的保険の生命保険に加入している場合に利用することができます。これは、一定の生命保険の保険料を支払うと所得税が安くなるというものです。

税金の計算方法

その前に所得税の計算方法についておさらいしておきます。

簡単な所得税計算の流れは

  1. 10種類の各所得(総合課税のみ)を合算して『総所得金額』を計算する
  2. 『総所得金額』から『所得控除』を差し引いて『課税総所得金額』を計算する
  3. 『課税総所得金額』に税率をかけて『算出税額』を計算する
  4. 『算出税額』から『税額控除』を差し引いて実際に支払う税金額を計算する

となっています。

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詳しい計算方法は以下の記事をご覧ください。

所得控除

所得控除とは、所得税を計算する過程で、所得から差し引ける金額のことをいいます。

所得控除は所得税のもととなる所得を軽減する効果があるので、所得控除を増やすことで所得税の節税に繋がります。生命保険料控除での節税は、この所得控除を利用して行います。

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生命保険料控除

所得控除には15個の種類がありますが、その中のひとつに『生命保険料控除』というものがあります。これは一定の生命保険料を支払った場合に、その保険料から算出した一定の金額が所得控除となるものです。

なので、この生命保険料控除を利用すると一定の生命保険を利用しながら所得税を軽減できるんです!

適用される保険

生命保険料控除を利用できる保険は次の3つの種類に分けられます。

  • 一般生命保険
  • 介護医療保険
  • 個人年金保険

一般生命保険

一般生命保険とは

生存又は死亡に基因して一定額の保険金が支払われる保険契約

(引用元:生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

のことで、一般的な生命保険のことを表します。

介護医療保険

介護医療保険とは

疾病又は身体の傷害等により保険金が支払われる保険契約のうち、医療費支払事由に基因して保険金等が支払われる保険契約

(引用元:生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

のことで、第三分野の保険に該当します。

個人年金保険

個人年金保険は年金を給付する定めのある保険契約等で、次の要件の定めがあるものをいいます。

  1. 年金の受取人は、保険料若しくは掛金の払込みをする者、又はその配偶者となっている契約であること。
  2. 保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であること。
  3. 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期又は終身の年金であること。

(参考:生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

控除できる金額

控除できる金額は1年間に支払った保険料の金額から計算します。しかし、生命保険料控除で控除できる金額には上限があります。先程紹介した生命保険料控除が利用できる3つの保険契約ごとに上限があり、さらにその控除額の合計額にも上限があります。

また、保険への加入年月日によっても異なり、

平成23年12月31日以前に締結した保険契約等のことを新契約

平成24年1月1日以後に締結した保険契約等のことを旧契約といいます。

(旧契約には生命保険料控除を利用できる保険に介護医療保険という分類はなく、介護医療保険は一般生命保険に含まれています。)

新契約の生命保険料控除金額
  • 一般生命保険   ⇒ 最高4万円(年間)
  • 介護医療生命保険 ⇒ 最高4万円(年間)
  • 個人年金保険   ⇒ 最高4万円(年間)

生命保険料控除の合計 ⇒ 最高12万円(年間)

旧契約の生命保険料控除金額
  • 一般生命保険   ⇒ 最高5万円(年間)
  • 個人年金保険   ⇒ 最高5万円(年間)

生命保険料控除の合計 ⇒ 最高10万円(年間)

新旧両方の保険に加入している場合は控除額を合算し、どちらか多い金額が適用されます。

生命保険料控除を利用するには

生命保険料控除を利用するには、まず利用できる保険に加入する必要があります。ただし、保険に加入する目的はあくまでも保障なので、節税の為に無理して加入するべきではありません。保障が必要な場合にうまく生命保険料控除を使いましょう。

保険に加入していて生命保険料控除を利用したい場合には『確定申告』と『年末調整』の2つの手段があります。もともと確定申告をして所得税を納めている場合には加えて生命保険料控除の手続をしましょう。サラリーマンのように所得税を源泉徴収で納めている場合には『年末調整』という手続を行って生命保険料控除を利用します。

年末調整では『給与所得者の保険料控除申告書』というものに記載をします。その際には加入している生命保険会社等から郵送される「生命保険料控除証明書」の記載内容を申告書に転記することになるため、「生命保険料控除証明書」は捨てずに残しておきましょう。

ポイント

最後に生命保険料控除を利用する際のポイントを確認しておきましょう。

  • 生命保険料控除は保険料を支払うことで所得税を軽減できる制度である。
  • 生命保険料控除を利用できる保険は『一般生命保険』・『介護医療保険』・『個人年金保険』の3つ。
  • 控除できる金額は1年間に支払った保険料から計算する。
  • 保険に加入した日によって『新契約』と『旧契約』となり、控除額の計算方法が異なる。
  • 新契約は3種類の保険ごとに最高4万円、合計12万円まで生命保険料控除にできる。
  • 旧契約は2種類の保険ごとに最高5万円、合計10万円まで生命保険料控除にできる。
  • 新旧両方の保険に加入している場合は合算し、どちらか多い金額が適用される。
  • 生命保険料控除は『確定申告』と『年末調整』で利用できる。
  • 『年末調整』では『生命保険料控除証明書』が必要。

さいごに

サラリーマンが使える節税の制度という事で、今回は生命保険に関する節税について紹介しました。

日本では、人口の約8割の方が生命保険に加入しています。また、所得税に関してもある程度所得がある方は毎年支払っています。生命保険料控除は人生に必要な保険に加入しながら所得税を軽減できる制度です。

ただ、今回説明したように利用できる保険に制限があったり、控除できる金額に上限があったりしますので、ポイントを押さえてうまく利用していくようにしましょう。

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