サラリーマンのための節税講座その⑥医療費を払うと税金が安くなる!?【医療費控除を利用しよう】

1月から12月までの1年間の間に医療費を支払うと、その年の所得税計算時に医療費控除という所得控除を使うことができます。所得控除とは、所得税を軽減できる制度のことで、所得控除が多いと所得税が減少します。1年間にたくさんの医療費を負担していた場合、税金の負担が軽減されると嬉しいですよね。

ただ、医療費を支払っていても自動的に所得税が軽減される訳ではありません。医療費控除には控除可能な金額や、適用できる医療費医療費控除を適用するための申請など、様々な決まりごとがあります。

今回はどういった仕組みで税金が安くなるのかといった基礎的なところも踏まえて紹介していきます。利用できる制度を知らずに損してしまうことがないようしっかり学んでいきましょう!

所得税とは

私たちは日々さまざまな場所・方法で税金を支払っています。税金とは、私たちが快適に生活ができるように公共サービスや施設などを運営するためのお金です。

税金にはさまざまな種類がありますが、所得税は最も身近な税金の1つです。所得税は私たちの1年間(1月~12月)の所得に対して課される税金で、サラリーマンの方は毎月のお給料から源泉徴収されていることがほとんどです。逆に、個人事業主やフリーランスの方は確定申告を自身で行って納税しています。

所得税には計算方法が決められており、1年間の所得に対して税率を掛けて算出します。

所得税の計算方法

所得税の計算方法についておさらいしておきましょう。

簡単な所得税計算の流れは次のようになっています。

  1. 10種類の各所得(総合課税のみ)を合算して『総所得金額』を計算する
  2. 『総所得金額』から『所得控除』を差し引いて『課税総所得金額』を計算する
  3. 『課税総所得金額』に税率をかけて『算出税額』を計算する
  4. 『算出税額』から『税額控除』を差し引いて実際に支払う税金額を計算する
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詳しい計算方法は以下の記事をご覧ください。

所得控除

所得控除とは、所得税を計算する過程で、所得から差し引ける金額のことをいいます。

所得控除は所得税のもととなる所得を軽減する効果があるので、所得控除を増やすことで所得税の節税に繋がります。

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所得控除には納税者の家族状況や保険料の支払い状況などに応じて全部で15の種類があり、その中のひとつに『医療費控除』があります。

医療費控除

医療費控除とは、1年間に一定の医療費を支払った場合に一定の金額が所得控除となる制度です。

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。(引用元:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費なので、未払いの医療費は、現実に支払った年の医療費控除の対象となります。

控除できる金額

医療費控除の金額は次の式で計算し、最高金額は200万円となります。

医療費控除の計算

医療費控除の金額 = 実際に支払った医療費の合計額 -① の金額②の金額

(参考:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁)

  1. 保険金などで補てんされる金額:生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
  2. 10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)
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医療費控除に適用できる医療費

医療費控除の対象となる医療費は次のとおりで、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。

  1. 医師又は歯科医師による診療代または治療費
  2. 治療又は療養に必要な医薬品の購入費(ビタミン剤などは含まれません。)
  3. 病院、診療所、介護老人保健施設などの費用
  4. あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの費用(疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)
  5. 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養の費用
  6. 助産師による分べんの介助の費用
  7. 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の費用
  8. 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
  9.  医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用。(自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)
  10. 医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費

(参考:医療費控除の対象となる医療費|国税庁

適用するには確定申告が必要

医療費控除を適用するには確定申告が必要です。

サラリーマンの場合、所得税に関しては源泉徴収のみで済ませている方が多く、確定申告を経験したことがないという人も少なくはありません。

確定申告とは、自分で所得税を計算して納税する行為のことで、医療費控除を適用するには医療費控除に関する事項などの必要事項を記載して所轄税務署長に確定申告書を提出するか、電子申告(e-tax)にて申告する必要があります。

また、確定申告の際には医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付します。医療保険者から交付を受けた医療費通知がある場合は、医療費通知を添付することによって医療費控除の明細書の記載を簡略化することができます。

ただし、医療費控除の明細書の記載内容を確認するため、確定申告期限等から5年を経過する日までの間は医療費の領収書の提示又は提出を求められる場合があります。なので医療費控除に関する領収書は大切に保管しておきましょう。

セルフメディケ-ション税制

セルフメディケーション税制とは、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、自己がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときは一定の金額を所得控除とすることができる制度です。

ただし、医療費控除とは選択適用となるのでどちらか得な方を選ぶ必要があります。

セルフメディケ-ション税制の金額

控除金額 = 一般用医薬品等購入費 - 12,000円(88,000円が上限)

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ポイント

  • 所得控除には所得税を軽減する効果がある
  • 所得控除には医療費を支払った場合に適用できる医療費控除がある
  • 医療費控除は、1年間に支払った医療費の内の一定金額が所得控除となる
  • 医療費控除の上限は200万円
  • 1年間で10万円以上医療費を支払っていると医療費控除を適用できる
  • 医療費控除を適用できる医療費は決まっている
  • 医療費控除を適用するには確定申告が必要
  • セルフメディケーション税制は医薬品等を購入した場合に適用できる
  • 医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらかを選択する

最後に

医療費控除は、年間の医療費の負担が大きくなってしまった際に所得税の負担を軽減できる制度です。ただし、この制度は自分で確定申告をしないと適用することができません。また、セルフメディケーション税制という選択適用の制度もあり、どちらが得をするのか自分で選ぶ必要があります。

制度の内容と適用方法を知って、かしこく利用していきましょう。

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